ゆきおんなは、雪の降る夜に人間の男性を誘惑して、その命を奪うという伝説の妖怪だった。しかし、時代は変わり、人間は雪にも慣れてしまった。ゆきおんなは、自分の存在意義を見失っていた。
ある日、彼女はスキー場で働く若い男性に一目惚れする。彼は、雪に対する情熱と技術が素晴らしく、ゆきおんなの心を動かしたのだ。彼女は、彼に近づくために、スキーのインストラクターとして働き始める。しかし、彼女は雪の中でしか生きられないため、昼間は冷凍庫に隠れていた。
彼女は、彼と仲良くなりたいと思いながらも、自分の正体を隠さなければならなかった。彼女は、彼に触れると凍らせてしまうからだ。彼女は、彼に恋心を伝えることもできなかった。彼女は、彼の命を奪うこともできなかった。彼女は、彼に何もできなかった。
ある晩、彼女はついに我慢できなくなり、彼の部屋に忍び込んだ。彼は眠っていた。彼女は、彼の顔を見つめて涙を流した。そして、彼にキスをした。その瞬間、彼女の体は溶け始めた。彼女は、自分の命と引き換えに、彼に最初で最後の愛を伝えたのだった。
彼は、その雪を抱きしめた。雪は冷たかった。雪は溶けていった。
彼は、目を覚ました。彼は、自分のベッドに雪が積もっているのに驚いた。彼は、その雪の中に、一枚の紙を見つけた。紙には、こんなことが書かれていた。
「私はゆきおんなです。あなたのことが好きでした。でも、あなたに触れると凍らせてしまうので、あなたに近づくことができませんでした。今夜、私はあなたにキスをしました。それが私の最後の願いでした。私はあなたのために命を捨てました。私はあなたを幸せにすることができませんでしたが、私はあなたを愛しています。さようなら」
彼は、その紙を読んで涙を流した。彼は、彼女のことを思い出した。彼は、彼女がスキーのインストラクターだったことを思い出した。彼は、彼女がいつも笑顔で優しく教えてくれたことを思い出した。彼は、彼女が冷凍庫に隠れているのを見つけたことを思い出した。彼は、彼女が自分にキスをしたことを思い出した。
彼は、彼女がゆきおんなだったことを信じられなかった。彼は、彼女が自分の命を捨てたことを悔やんだ。彼は、彼女にありがとうと言えなかったことを後悔した。彼は、彼女に愛してると言えなかったことを悲しんだ。
そこへ、突然ドアが開いた。入ってきたのは、彼女だった。
「ごめんなさい!私、やっぱり死ねませんでした!」
彼女は泣きながら言った。
「私、あなたにキスしたら溶けるかもしれないと思っていました。でも、溶けるどころか逆に温まりました。私、あなたの愛で生き返りました!」
彼女は走って彼のもとに駆け寄り、抱きついた。
「私、あなたのことが大好きです!これからずっと一緒にいましょう!」
彼は驚きと喜びで言葉を失った。彼は彼女を抱き返した。
「僕もあなたのことが大好きです!これからずっと一緒にいます!」
二人は幸せそうに笑った。
雪は溶けていった。



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